羽根鑑定大会
今年も日本野鳥の会大阪支部主催の羽根鑑定大会が以下の通り、開催されました。両日、合わせた参加者数は25名で鑑定された人は9名いらっしゃいました。ご参加頂いた皆さま有難うございました。この羽根鑑定大会の目的は、会員さんが探鳥中に拾われた種の不明の羽根を鑑定する事で、更にバードウオッチングの楽しさを感じることを目指しています。また、羽根を鑑定するために、鑑定団がどのように鑑定していく順序も伝えながら、当日、寺川裕子さんの羽コレクションで実物確認しながら羽根の魅力を感じます。
今年の成果
毎年、たくさんの羽根の鑑定をさせて頂きます。もちろん宿題とさせてもらう事もあります。でも今年、鑑定団が驚き、盛り上がった羽根は3種類ありました。1種類は、白黒の初列風切羽根1枚を持って来られた方がいました。鑑定団はイメージする鳥がなかなか出てこず、拾われた時の環境や観察した鳥をヒントにたどり着いた結果、サンショウクイが浮かび上がりました。すぐに、羽根識別マニュアル(文一:藤井幹著)でサンショウクイの頁(P133)を開くと同じ初列風切羽根がありました。
(2017.4.29宇久島サンショウクイ下面 バンデングで記録撮影)
次の鑑定は、大きい羽で背羽根にあたる部位でした。独特の色合いからミゾゴイと判断しました。
拾われたの日は2024年の7月30日の生駒山と話されていたので繁殖している可能性があり、貴重な羽根を拾われていました。最後に、小さい光沢のある大雨覆1枚を鑑定しました。特徴があった為、コムクドリと鑑定しました。
鑑定した貴重な羽根
展示風景
毎年、寺川さんの迫力ある数百点の羽根コレクションには魅了させられます。本当に素晴らしいです。会員さんが自分の持ってきた羽根合わせも楽しそうにされています。
野鳥そのまま張り付いた標本を身近に感じられます。この羽根鑑定大会の特徴とも言えます。
羽根講座開催
今回は9/8に60分だけ今後、秋の渡りや越冬で見られる鳥(ツグミ類・ヒタキ類)の成鳥・幼鳥の見分け方や識別ポイント、羽根の部位の確認(初列風切羽・大雨覆)を紹介させて頂きました。ツグミ類なら大雨覆の先端の斑点が有無の確認やアトリ類の尾羽の先端の角度(成鳥:鋭角 幼鳥:鈍角)の確認するように解説しました。
参考文献:日本の野鳥(山と渓谷社) 羽根の部位が色分けされて見やすいです。
大きなスクリーンで映し出されるのでとても見やすい。コルリの解説中。
マミチャジナイ幼鳥 鳥類標識調査中記録写真2023.9月六甲山
上下写真 同一個体 大雨覆に白い斑が見られる。幼羽が残っている。第1回冬羽マミチャジナイ
鑑定大会が無事に終了し、私は9月13日から始まる日本鳥学会2024に参加しました。そして憧れの人に出会いました。
日本鳥学会2024
期 間:9/13~15
開催地:東京大学 農学部キャンパス
今回は都心での開催に伴い、いつも以上の自由集会、口頭発表、ポスター発表があり3会場に分かれての公演があった。聞きたい発表が多くありました。また、鳥類目録8版の販売もありました。
自由集会の1つに「標本集会博物館施設の標本製作の現状と課題」の話し合いがありました。標本の管理・保管、羽根コレクションの博物館への寄贈に関しての受け入れ対処など事例紹介共に話し合われました。私はこの鳥学会で羽根識別マニュアルを書かれた藤井幹氏とお会いできることを楽しみにしていました。そして、自由集会会場とポスター発表会場で2回、お会いする事ができました。羽根鑑定団は、このマニュアルをアイテムとしています。
鑑定員の室谷さんがマニュアルと羽根図鑑(原寸大)を使って鑑定している風景。きっと、シロハラの羽根を部位ごとに紹介している風景。写真上
初めてお会いした羽根識別マニュアルの著者の
藤井幹さんと記念写真を撮らせて頂きました。マニュアルにはサインも頂きました。羽根鑑定大会の様子を紹介させて貰ったら興味を抱いて頂きました。ありがとうございました。
おまけ写真。
歴史ある安田講堂
東大の赤門
東大名物 赤門ラーメン ピリッとスパイスが効いてプレモルには相性が良かったです。学会期間中、多くの方と再会や新しくご縁を頂いた方がありました。ありがとうございました。また、展示ブース「谷口高司鳥得工房」さん「ハクバ写真産業」さんには大変、お世話になりました。ありがとうございました。
バードガイド 久下直哉(くげなおや)
10代から80代までの幅広い顧客に、五感を使ったバードウオッチングをご案内。
大阪城公園から北海道知床、山陰、四国、九州、沖縄県宮古島を範囲。時には
海外の鳥も案内することも。野鳥だけでなく日本酒にも詳しい。
資 格:鳥類標識調査員 鳥見歴30年 ガイド歴16年 詳しいプロフィール。
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