4月7日に緊急事態宣言が発令されて不要不急の外出が制限されるという事態になりました。
バードウオッチャーにとっても春の渡りを楽しむ季節寸前で衝撃を受けたと思います。私自身もツアーや講座が控えていたのですが今日の時点でも、全て無くなりました。ツアーガイドとして、本当に悔しい2020年の始まりとなりました。季節は進みますから、十分にコロナ対策をしながら春の渡りを大阪城公園で過ごし、FB上には観察記録を掲載しました。具体的にHP上ではもう少し詳細にご案内します。
大阪城公園 観察ポイント
大阪城公園は関西のバードウオッチャーにとって、春の渡り、秋の渡り、越冬期など、欠かせないバードウオッチングスポット。アクセス方法はJR環状線大阪城公園駅、森ノ宮駅、地下鉄天満橋からがあります。代表的な観察ポイントは、市民の森、音楽堂の上の小道、玉造門桜広場、豊国神社裏、梅林、飛騨の森、京橋口があります。飛騨の森、京橋口以外は、大阪城公園駅や森ノ宮駅からが最寄り駅だと思います。
大阪城公園
https://www.osakacastlepark.jp/?lang=ja
主な個人観察記録
4月15日 コマドリ・オオルリ・キビタキ・ヤブサメ・センダイムシクイ・ノゴマ
4月16日 クロツグミ
4月21日 サンショウクイ・コマドリ・クロツグミ
4月22日 オオルリ
4月25日 アカハラ・キビタキ
4月26日 エナガの雛巣立ち
5月02日 キビタキ・オオルリ♀増える
5月05日 サンコウチョウ♂飛来
5月06日 コルリ♀・サンコウチョウ♂
5月20日 ノゴマ♂・メボソムシクイ・ホトトギス
*5月20日以降は大阪城には観察には訪ねていません。
印象に残る野鳥たちとの出会い
4月15日 ヤブサメ 学名Urosphena squameiceps 英名Asian Stubtail 全長10.5cm
大阪城公園音楽堂上に着いたとき、目線の高さでヤブサメの囀りを聞いた。なんとツツジのブッシュの上で囀っているのに驚いた。ヤブサメに見つからないように息をひそめて、撮影した。箕面公園で再び会えることを楽しみにしている。
4月16日 クロツグミ 学名Turdus cardis 英名JapaneseThrush全長21.5cm
渡り鳥が最初に飛来する市民の森。朝早く来ると、ツグミ類が下りてくることがわかる。地面では光の加減で黒い艶のあるクロツグミが落ち葉をひっくり返して採餌している。
繁殖地では、なかなか見られない光景。
4月21日 コマドリ 学名Luscinia akahige 英名Japanese Robin 全長14cm
豊国神社裏付近を歩き始め、かすかにコマドリの囀りがツツジのブッシュの中から聞こえた。近くでしゃがみ、双眼鏡でブッシュを見ると鳥影がみえて、突然、飛び出して来た時はビックリした。尾羽をよく立てて囀ってくれた。
4月25日 アカハラ 学名Turdus chrysolaus 英名Brown-headed Thrysh 全長23.5
梅林の石垣に止まったり、落ち葉をひっくり返しながら採餌している所を観察した。性別はきっと♀だろう。喉に縦斑が見られた。クロツグミと同じように繁殖地ではなかなか地上で採餌しているところが見らないので貴重な観察。
4月26日 オオルリ 学名Cyanoptila cyanomelana 英名Blue-and white Flycatcher
春の渡りで、さくら広場から見下ろす感じで撮影ができた。この日は各ポイントにオオルリがよく見られた。囀りは殆ど聞かれないがやっぱり美しい。繁殖地の箕面公園で素晴らしい囀りを楽しみにしている。全長は16.5cm
4月25日 キビタキ 学名Ficedula narcissina 英名Narcissus Flycatcher 全長13cm
春の渡りで一番、気持ちよく囀っている。黄色と黒、そして喉が橙色。キビタキと出会えたら春の渡りが始まったという気持ちにさせてくれると私は思う。
4月26日 エナガ 学名Aegithalos caudatus 英名Long-tailed Tit 全長13cm
オオルリを観察撮影している時に、一つのヤエザクラの木に人が集まり出した。気になって見に行くと、なんと近距離にエナガの巣立ち雛が集団となって横木に集まっていた。恐らくあの巣から巣立ったのだろうと予測しながら撮影した。餌の青虫を給餌中。
5月05日 サンコウチョウ 学名Terpsiphone atrocaudata 全長44.5cm
5/3.4と雨が降り、5日は晴れると予報が出ていたので何かが出ると感じながら市民の森から歩き始めると、人だかりが見えた。すぐにあの♂の長い尾羽が見えた。ふわふわと飛び回り、みんながサンコウチョウを見たい、撮りたいという一心で終日、楽しんだ。
振り返ってみると
今年の春の渡りシーズン、まさかの新型コロナウイルスの影響により、自宅待機(ステイホーム)、不要不急の外出は避けて下さいという言葉が連日、放送されました。しかし、バードウオッチャーにとっては、マスク着用して手洗い、うがいをして春の渡りを楽しんでいたと思います。
このサンコウチョウが出現した時、ウオッチャー、カメラマン含めて100人は動いたと思います。
私も普段ならバードウオッチングツアーをしながら離島にてガイドをしている為、大阪にはいないはずです。久しぶりに大阪の大都会の中で春の渡りを満喫する事ができました。この渡りの期間中には多くのウオッチャーや鳥好きカメラマンとの出会いがあり、親切に声をかけて頂きました。ありがとうございました。また、秋の渡りにお会いできたらと思っています。そして、一日も早く日常に戻ることを願いたいと思います。
バードガイド 久下直哉(くげなおや)
10代から80代までの幅広い顧客に、五感を使ったバードウオッチングをご案内。
大阪城公園から北海道知床、山陰、四国、九州、沖縄県宮古島を範囲。時には
海外の鳥も案内することも。野鳥だけでなく日本酒にも詳しい。
資 格:鳥類標識調査員 鳥見歴30年 ガイド歴16年 詳しいプロフィール。
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