山形庄内と出羽三山 野鳥の聖地巡礼と祈り

日時・目的・経緯・行程の紹介

日 時:2019年5月23日~27日
場 所:山形県羽黒山麓
目 的①羽黒山麓の聖地を山伏と共に巡礼。
目 的②羽黒山麓にてバードウオッチング。
目 的③羽黒山麓にて仲間と出会う。
経 緯:平成27年から天川弁財天節分祭にて羽黒山山伏の星野先達とご縁を頂き、ずっと羽黒山麓
の自然に関して語って頂き、私自身もいつかは行きたいと思いと感じて先達と相談し実現     する事になった。
宿 舎:大聖坊 山伏の里・出羽三山の麓、羽黒に400年続く伝統ある宿坊
行 程
5/22:大阪駅前より鶴岡行夜行バス
5/23:鶴岡駅7:45着=移動=ラムサール登録池=オルファ=酒蔵=友人宅
5/24:友人宅=楯野川酒蔵=日本海道の駅=友人宅
5/25:早朝バードウオッチング=大聖坊=プログラム開始=『三神合祭殿』=大聖坊
5/26:早朝バードウオッチング=大聖坊=勤行=湯殿山=大池=善宝寺=龍神池=弁財天
5/27:早朝バードウオッチング=大聖坊=勤行=プログラム終了=鶴岡駅=夜行バス=大阪

5/23~27まで山形県羽黒山麓を訪ねました。5/23~25朝までプライべート、5/25昼~27まで今回は羽黒山山伏(星野先達)と共に羽黒山、月山、湯殿山、ラムサールで登録された上池、下池、龍神様の祀られている池といった聖地を『野鳥の語らいと祈り』をテーマに巡礼するという体験プログラムを実施しました。

紹 介:星野 文紘氏
1946年山形県出羽三山羽黒山の宿坊「大聖坊」に生まれる。
1971年東洋大学文学部卒業後「大聖坊」十三代目としを継承し、秋の峰に初入峰して
山伏名「尚文」を拝命する。
2003年より夏に数回、大聖坊主催による山伏修行を実施し、参加者は現在まで国内外に1000人を
超える。
著書に「感じるままに生きなさい―山伏の流儀』(さくら舎)。

5月23日 カンムリカイツブリの求愛


鶴岡駅に到着し最初に向かった聖地はラムサール登録された上池・下池。そこには繁殖、真っ只中のカンムリカイツブリPodiceps cristatus(TL56cm)のペアーが見つめ合っていました。また首を伸ばして顔を左右に振りながら求愛ダンスを見せてくれて歓迎してくれました。

池を後にして次にカフェ「オルファ」にランチに行きました。天河弁財天節分祭以来の再会で、
プレートランチを頂きました。

郷土の野菜を利用した素晴らしいランチを頂きました。どれから食べようかと迷いました。

最後は苺のタルトと苺ミルクでランチで締めくくりました。

ランチの後は田んぼの中にポツンとある竹の露合資会社「はくろさいしゅ」に伺いました。いつも
関西でお世話になっている酒蔵さんです。蔵の中をご案内をご案内して頂きました。その後、友人宅に向かいました。到着すると、何と素晴らしい憧れの鳥との出会いがあるとは思いもしませんでした。

友人宅の駐車場に車を止めて、ふとした瞬間、後方で今までに聞いたことがない「ギュン、ギュン」とモズ類の声、しかしここは山形県の日本海側という思いから、一種のモズ類を思い浮かべながら鳴き声が聞こえる方向に双眼鏡を向けるとやっぱり、私が見たいと憧れていたチゴモズでした。でもすぐに飛んで行ってしまい翌日に期待しました。

5月24日 興奮と感動の渦に!


夜明け4時頃に、チゴモズLanius tigrinus(全長18cm)の鳴き声する方向や好きそうな止まり木を考えながらスタンバイをしていました。その時でした、いきなり「ギュンギュン」と鳴くチゴモズが私の前に現れました。興奮と感激の渦に包まれながら撮影しました。太陽が程よく当たり正面向きのチゴモズと出会えました。過眼線は黒く太い、喉元から下尾筒まで白い。

チゴモズの背中は茶褐色でウロコ模様、頭頂から上背まで灰色です。写真は♂の成鳥です。朝食までゆっくり観察、撮影させて頂きました。平成30年間、見たいと思う憧れの鳥を令和元年に観察できたという記念すべき日となりました。

朝食後は遊佐町にある景勝地の一つで有名な「丸池」を訪ねました。県内唯一の湧水のみの水源で直径約20m、水深約3m50。ずっと池を見ていたい気持ちになりました。素晴らしいポイントだったのでまた足を運んでみたいスポットです。

丸池からの帰り道は、関西でいつも華やかな香りで手軽に美味しく頂けるお酒「楯野川」の蔵に立ちよりました。当然ですが楯野川のパンフレットにある同じ風景に感動しました。

楯野川のマスコットキャラクター「たてにゃん」と並んでいるのは楯野川の素晴らしいお酒。

帰りは素晴らしい月山の風景を見ながら戻りました。

5月25日の様子


朝10時過ぎにお世話になる大聖坊に到着しました。星野先達と2月の節分祭以来の再会となり、
近況報告した後、14時まで、自分なりに随神門や爺杉と羽黒山五十塔までお参りしました。

2019年5月から令和元年となり、お祝いの旗がなびいていました。

樹齢1000年の爺杉とその後ろに聳え立つ羽黒山五十塔は羽黒山ならではの風景です。

14時スタートで羽黒山『三神合祭殿』に到着するとアカショウビンが鳴き合い、密度が濃いことに驚きました。先達が法螺貝を吹かれ、期間中の安全等を含めたお祓いを受け祈りました。

プログラム初日はここまでと留まり、最後はブナ林を歩き、ツツドリ、サンショウクイの囀りを楽しみながら大聖坊に宿に戻り、夕食を頂きました。

夕食は精進料理と共に山菜の天ぷらも出てきました。夕食後は翌日のプログラムを確認し就寝。

5月26日の様子


夜明け前3時半から6時半まで随神門から南谷付近のバードリスニングウォッチングを楽しみました。門から五重塔に行くまでに比較的近い所でフクロウとオオルリが鳴き、そのバックでヨタカがずっと囀ずっていました。五重塔から2の坂まではキビタキアカショウビンがメインで囀り、その後、南谷まではツツドリ、クロツグミ、アオバト、サンショウクイ、時よりアカショウビン、キビタキが囀りました。南谷から随神門に戻ってきたところで再びアカショウビンと出会えました。

大聖坊に戻ると勤行7時~8時。神道の大祓詞に登場する神である瀬織津姫(せおりつひめ)様が祀られています。そして朝食となりました。9時からプログラムスタートです。各聖地へは車での移動になります。

朝食の後は夕方まで山から海までバードウォッチングと聖地巡礼となりました。雪渓が残るドライブウェイを上がると赤い大きな鳥居が見えてきました。まず午前中は湯殿山にお参りしました。
大日如来様と一体になる為、裸足になって登拝しました。身体を清め、先達の法螺貝が吹かれた後に手を合わせて祈りました。祈りが終わると耳を自然に委ねますクロジやノジコの囀りを確認しました。

次の聖地はラムサールに登録されている上池に行きました。下見した通り、カンムリカイツブリの繁殖羽の姿やカワセミが行き交いました。せっかくなので星野先達と記念撮影しました。

カンムリカイツブリが見つめ合い、首を左右に振り、ディスプレイする風景も見られました。冬羽は目立たないですが繁殖期になると冠羽や後頭部にレンガ色、橙色の羽根が目立ちます。

強い風が吹くなぁと思ってたら空からは龍が舞い降りてきました。神秘的な時間を過ごしました。

山形ならではのお蕎麦をランチにしました。美味しかったので、また伺いたいお店でした。

ランチの後は海へ向けて出発です。途中、聖地、善宝寺の奥の院に向かいました。

聖地にて法螺貝が吹かれ、祈りが終わり、風が気持ちよく吹き、目を瞑っていると、ホイホイホイと声がして、サンコウチョウがこちらを向いて囀ずってくれました。本当に自然に身を委ねる事は素晴らしいことだなと思いました。

祈りが終わり、戻っていく途中で小さい看板をみて驚きました。平成2年世間を騒がしたあの人面魚で話題になった池だったのです。

じ~っと池を見ていたら、人面魚らしい鯉が現れました(笑)。

気比神社の龍神そして鼠ヶ関の弁財天や海の龍神を巡礼しました。海の龍神様にて巡礼プログラムが終了し、海辺ではキアシシギ、テトラポットにウミネコが群れていました。

巡礼を終了後は山伏温泉に入り、大聖坊に戻ると夕食が用意されていました。先達と2日間の振り返りをしながら頂きました。大きなタケノコを豪快に頂きました。

5月27日 まとめ

最後の日も、夜明け前3時半より随神門の前に立ちました。やはり最初の囀りはアカショウビンでした。しばらく聞き入り、少し足元が見え始めた頃に石段を歩き始めました。五重塔の手前付近でまだ暗がりからオオルリが身体を震わせながら気持ちよく囀ずっていました。また、背面の林内からはクロツグミもオオルリに負けないぐらいの囀りでした。完全に夜が明けて随神門に戻るとアカショウビンが囀りながら目の前を飛んで行きました。大聖坊に戻り、最後の勤行を済ませて、朝食を頂いたところで『野鳥の語らいと祈り』の体験プログラムが終了となりました。
この3日間は羽黒山三山から麓にかけて身を委ねながら野鳥の語らいを聞き入れて、星野先達と共に祈り、聖地を巡るという貴重な時間を参加者のみなさんと一緒に過ごさせて頂きました。また、お世話をして下さった大聖坊のスタッフの皆さま、ありがとうございました。
最後に平成27年の天川弁財天節分祭にて星野先達とご縁を頂いてから、こうしたプログラムを実施できるとは思いませんでした。先達からは色々、感じるものがありました。令和の時代に自分自身も少しずつ生まれ変わりながら色々、チャレンジしていこうと思います。
星野先達、この度は貴重な時間を作ってくださり誠に、ありがとうございました。来年も、ぜひ計画したいと思っています。よろしくお願いいたします

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