コウノトリ野生復帰20周年記念ツアー

コウノトリ野生復帰20周年記念
           豊岡のコウノトリと城崎周辺の野鳥観察

日 時:2025年6月27日(金)~29日(日)

主 催:旅の本棚

案内人:久下直哉 兵庫県立コウノトリの郷公園 元飼育員(2000年~2002年3月)

目 的①コウノトリ巣塔の雛の成長具合を観察し野生復帰を感じる。

目 的②放鳥20年前に携わった方の秘話を聞かせて頂き、振り返る。

目 的③城崎温泉に浸かり、旬の味とコウノトリ育む農法で作られたおにぎりを頂く。

6月27日
大阪空港に関東から大阪、沖縄からのお客様含めて総勢10名が集合し、9時00出発の但馬空港行JAL2323に搭乗しました。35分後に但馬空港に到着し、お客様とスタッフで分乗し、最初に加陽湿地交流館に移動しました。

交流館では伊崎コウノトリ研究員より、コウノトリが絶滅に至った経過などをお話頂きました。昔は狩猟があったこと、戦時中に燃料が無くなりアカマツのから採れる松根油を取るため、アカマツで繁殖するコウノトリの営巣木を伐採(日本各地)され、兵庫県豊岡と福井県武生まで狭まれる、戦後、田んぼに農薬が撒かれて汚染された生き物をコウノトリが食べ続けたことなど3つが要因と言われています。 その後、出石方面水上にある巣塔で繁殖し4羽のヒナが育っている様子を観察しました。巣塔の産座から、はみ出すぐらいの大きさに成長した風景を観察しました。

参加者からは雛の大きさに驚いていました。ゆっくり巣塔周りを周遊したところでちょうどランチタイムとなり、出石そばを頂きました。皿そば5皿で足りない方は追加されていました。

出石からは百合地巣塔に向かいました。この百合地巣塔は2007年に放鳥コウノトリより新しいペアーができて43年振りに雛が誕生し、46年振りに、巣立ちしたという記念すべき巣塔ですが今年は、親鳥にアクシデントがあり繁殖はしませんでしたが新しいペアーかもと思わせる個体が巣塔に乗っていたので少し、イメージが湧きました。ここでは神戸新聞に取材を受けました。

写真左からフィールドアート谷口高司鳥絵公房様、神戸新聞阿部記者様、コウノトリ研究員伊崎様

百合地からはコウノトリの郷公園内に有るコウノトリ文化館にて「フィールドアート谷口高司鳥絵工房」様の「コウノトリでつながる豊岡の鳥」のテーマに描かれた作品展示を谷口高司さんより解説を頂きながら時間を過しました。

館内を自由見学していただき、ホテルに向かいました。夕食は豊岡市内で旬の味を頂きました。

6月28日
ホテルを9時に出発し、コウノトリの郷公園内に有るコウノトリ文化館にてシアタールームにて、コウノトリの放鳥に至るまでの動画15分を鑑賞しました。この動画のナレーターはコウノトリファンクラブ会長だった柳生博さんでした。私自身、飼育員時代に何度か交流したことがあったので懐かしく感じながら、少し涙腺が緩んでいました。

観察風景
その後、祥雲寺巣塔の観察となりました。私が5月3日に訪ねた時はまだ、真白でぬいぐるみ程度の大きさで可愛らしかったのですが、今回は大きくなったなぁと思いましたが、まだ親鳥に比べて嘴が短い事で巣立ち雛と感じました。

2025年5月3日の雛の様子。

6月28日の雛の様子 コウノトリ雛 BTXスマスコ使用
ハクバ写真産業様からの協力でBTX(双眼望遠鏡)で見ると目と鼻の先に感じる近さでコウノトリの巣立ち寸前の雛を楽しむ事ができました。

スワロフスキ―BTX使用しスマスコを試みる。
巣塔ではスズメがコウノトリの巣材と産座の間をうまく利用して繁殖していました。コウノトリ以外にも周辺ではサンショウクイが目の前に止まったり、オオヨシキリが囀っていました。ピリピリ、カタカタ、ギョギョシと賑やかな音色も楽しみコウノトリも上空を、円を描いて飛翔してくれました。

サンショウクイの飛び立ち
十分に観察した後、ちょうどランチタイムとなりました。ランチはコウノトリ育む農法で作られたお米を使用した「おにぎり弁当」を頂きました。少し粒が大きめでもっちりとした味わいで美味しかったです。

コウノトリ育む農法で作られたお米のおにぎり弁当
コウノトリの郷公園を後にして、私たちはコウノトリ保護増殖センターに移動し、長年コウノトリの飼育から放鳥まで携われた船越稔さんに放鳥の時の秘話を聞かせて頂きました。

船越さんのお話を真剣に聞きながらメモを取ります。
放鳥箱も特注品で必ず訓練されたコウノトリが大空を舞うようにというプレッシャーもあったとお聞きしました。コウノトリが飛び立つ歩数と距離感を計算された配置だったとは私も放鳥の瞬間を見ていたので改めて驚きました。時間を許す限り、お話を頂き、また参加者からの質問に対応して下さり、素晴らしい時間を過させて頂きました。

野上のコウノトリ巣塔
保護増殖センターからハチゴロウの戸島湿地に移動しました。もうすぐ巣立ち直前の雛と生まれてまだ10日過ぎの雛が見られる2本の巣塔を観察する事ができました。ゆっくり観察した後に城崎温泉に向かいました。川口屋リバーサイドに到着しチェックインした後、休憩後、夕食会場に再集合しました。
夕食会場は60畳の広間を10人貸し切り対応で、なんと、となり宿に建てられているコウノトリの巣塔が丸見えで再び、雛の見下ろしながらの食事となりました。夕食、朝食は但馬の食材を頂き、何度もコウノトリの巣塔を見ながら過ごしました。

夕食の様子

隣宿のコウノトリのヒナの様子

川口屋リバーサイドのスタッフの皆さまにも観察して頂く。
6月29日
最終日の朝は、有志でコシアカツバメの観察や円山川堤防歩きなどを実施しました。親鳥のコウノトリが追加の巣材をたくさん咥えて運んでくる様子も見られました。

円山川堤防から見るコウノトリの巣塔

巣材を咥えて

巣材を運ぶコウノトリ
朝食後、ホテルを後にして、ハチゴロウの戸島湿地に向かいました。最終日は佐竹節夫さんによる行政から野生復帰に携わり、市民の方や農家の方に対してどのように提言してきたかなどを聞かせて頂きました。コウノトリだけを保護するのではなく生き物全てを含めて「コウノトリ住める町」スローガンとして行政は動き出したと話されました。

予定していた時間より少しオーバーとなりましたが貴重なお話を聞かせて頂きました。

谷口高司さんよりお礼のコウノトリのハンカチ授与
その後、楽々浦湾と鼻かけ地蔵まで観察に行きました。ミサゴのダイビングが見られました。昼食は、但馬牛弁当を用意しました。また、せっかくなので蟹焼売も用意しました。

但馬牛弁当に蟹焼売を付けました。
午後からは「谷口高司鳥絵工房」様のタマゴ式鳥絵教室を開催して頂きコウノトリを参加者の皆さんに描いて頂きました。みなさん真剣で素晴らしい作品が出来上がりました。

タマゴ式鳥絵教室で描かれたコウノトリ

懐かしいメンバーとの再会
あっという間の3日間でしたが、コウノトリを通して、20年前に野生復帰に携わった方とツアーにご参加頂いた皆さまが交流しお互いに感じた事、気づいたことが心地よい時間となり、楽しんで頂けたと思います。私も懐かしいメンバーとも再会し、ツアーを企画して本当に良かったと思いました。今年で約500羽のコウノトリが日本の空を舞うと言われています。これからも「コウノトリも住める町」という事が日常であるような生活であってほしいと思いました。

ツアー期間中に観察できた鳥
カルガモ、キジ、キジバト、ヒクイナ、コチドリ、コウノトリ、カワウ、アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、トビ、ミサゴ、サシバ、カワセミ、コゲラ、サンショウクイ、モズ、ハシブトガラス、ハシボソガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒバリ、ヒヨドリ、ツバメ、イワツバメ、コシアカツバメ、オオヨシキリ、メジロ、キバシリ、キビタキ、イソヒヨドリ、スズメ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、イカル、カワラヒワ、ホオジロ、ムクドリ

このツアーには豊岡市立加陽湿地交流館、豊岡市立コウノトリ文化館、豊岡市立ハチゴロウの戸島湿地の佐竹節夫様、スタッフの皆様、コウノトリ研究員伊崎実那様、コウノトリ保護増殖センタ―元飼育長の佐藤稔様、フィールドアート谷口高司鳥絵工房様、ハクバ写真産業様、文一総合出版BIRDER編集部様、ランチではコウノトリ育む農法で作られたお米のおにぎり弁当58Nmusubu様、但馬牛弁当の山よし様、宿では、川口屋リバーサイド様のコウノトリの子育てが見られる食事会場のご配慮があり、3日間、豊岡を知り尽くした安全運転で常務して頂いたケンリムジンの増田様、神戸新聞但馬総局の阿部様、多くの方にご協力して頂いてツアーが盛り上がり無事に終了しました。誠にありがとうございました。また、このツアーに関して色々、手配をして下さった旅の本棚に感謝します。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました