日 時:2021年11月29日(月)
調査地:大阪府大阪市淀川河川敷ヨシ原
調 査:鳥類標識調査
*渡り鳥と足環|山階鳥類研究所 (yamashina.or.jp)
種 名:シベリアジュリン Emberiza pallasi
リング:1J―07895
経 過:今シーズン2回目のオオジュリンの鳥類標識調査を淀川河川敷のヨシ原にて実施しました。
風もなく調査日和で7時過ぎの見回りの際、オオジュリンでない鳥が入っている事に気付き
ました。鳥袋から取り出すと、手に持った時の印象がオオジュリンに比べて一回りもなん
となく、小さく感じ、嘴の形状や色、小雨覆、腰の色、大きさ等から見て『シベリアジュ
リン』と判断し識別しました。以下、部位ごとの写真にて識別ポイントを記します。
*写真は調査中、安全に保定し、識別に必要な部位を一人で撮影しています。
ホオジロ類の識別には調査中、小雨覆と上尾筒に各種、違いがあります。シベリアジュリンの場合は小雨覆が灰色。初列雨覆は未換羽、大雨覆はある程度、換羽済み、外弁の縁取りが肌色に近い。
年齢は尾羽の先端が鋭角(尖っている)であるため幼鳥(第1回冬羽)と判断。また上尾筒の色が灰褐色に見える。中央尾羽1対は軸斑が黒く外弁が淡い褐色で他5対は黒褐色。
左:オオジュリン 右:シベリアジュリン
オオジュリンの上嘴は丸みをおびて湾曲。シベリアジュリンの上嘴は湾曲せず直線的でまっすぐで
下嘴が淡いピンク色。観察では色の判断より、嘴の形状より識別する事が重要。頭部の羽根を見ると黒褐色で混じっている為、雄と識別可能。
全頭頂(後頭部から嘴の先端まで計測)はオオジュリン28.9mm、シベリアジュリン26.0mm。
嘴の高さと幅は(鼻腔)の位置を基準に高さオオ5.2mm シベ4.5mm.幅オオ5.7mm シベ4.0
計測からもオオジュリンとシベリアジュリンの違いが明確。
*指と指の間に軽く挟むようにして安全に保定。嘴の形状を分かりやすく比較する為の撮影。
羽の部位名羽根について | 羽根の専門店 カマタック (k-tac.jp)
換羽とは – コトバンク (kotobank.jp)
この調査地は1997年11月から前調査員から引き継ぎ今日まで実施してきました。
今回のシベリアジュリンの個人的に初放鳥は継続調査のご褒美かなぁと思いながら喜びました。これからも続けます。今まで協力、お手伝いして下さった方ありがとうございます。引き続き、どうぞよろしくお願い致します。
バードガイド 久下直哉(くげなおや)
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大阪城公園から北海道知床、山陰、四国、九州、沖縄県宮古島を範囲。時には
海外の鳥も案内することも。野鳥だけでなく日本酒にも詳しい。
資 格:鳥類標識調査員 鳥見歴30年 ガイド歴16年 詳しいプロフィール。
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